海外旅行や出張に欠かせない旅券・パスポート。このページでは、主に5年用・10年用パスポート(旅券)申請書類の書き方や記入事項、提出手続きについて説明します。
一般的な新規発行はもちろん、有効期限内のパスポートや期限切れ旅券を持っている場合の変更手続きについてもご紹介します。申請者ご本人が旅券窓口までパスポート申請にいけない場合は、必要な情報を記入・署名して代理人による申請書提出も可能です。
時間がなかなか取れない社会人はもちろん、初めて海外旅行に行かれる方にも役立つ情報になっているので、参考にしながら記入されてください。
目 次
パスポート申請書の入手はどこで?
正式名称は一般旅券発給申請書といいます。
5年用や10年用の新規申請用紙は各自治体のパスポートセンターや旅券発給事務を行っている市の窓口などに置かれています。
急な海外出張のように急ぎでパスポート申請をする場合は、各都道府県のパスポートセンターにて急ぎ対応できる場合があります。
詳細は旅券発給事務が行われている最寄りの市区町村の役所窓口やパスポートセンターへ確認するのが確実なのでおすすめです。
まず初めに確認・準備した方がいい必要書類・資料はコレ
パスポート申請書の記入は、このページを見て書けばすぐ終わってしまいますが、平日時間がとりづらい社会人の方の場合、特に時間がかかるのはパスポート申請に必要な書類・資料の準備です。
本籍地と現住所の都道府県が違う方は、通常よりも時間がかかるので注意が必要です。(準備する資料の詳細はパスポート申請に必要な書類・資料を参照されてください)
まずは大まかな流れを知りたい方はこちら
パスポートについて何もわからなくて困っている、まずは申請から取得までの流れや金額・費用、受け取りにかかる期間などの全体像を知りたいという方は、こちらを参照されてください。
パスポート申請書(5年・10年)の書き方
パスポートの一般旅券発給申請書には、「5年用」「10年用」「記載事項変更用」の3種類があります。
5年用旅券を申請される方は、おもて面の右上に「5年用」と表記されている水色の申請書、10年用旅券を申請される方は、おもて面の右上に「10年用」と表記されている赤色の申請書に記入してください。
【画像引用元】神奈川県パスポートセンターより
http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/02/2315/Form_ippan.html
次に、記入に必要な項目について見てみましょう。
- 氏名
- 所持人直筆サイン
- 今までの旅券発給有無
- 現住所
- 刑罰関係の欄
- 申請者署名
- 決定代理人署名(親権者、後見人などのサイン)
【記入に関する注意】消えない黒インクや黒ボールペンで記入する
申請書は機械で読み込みするため、消えないインクで記入する必要があります。
パスポートセンターなどには申請書の記入欄などを分かりやすく示されている記入例などがありますが、ここでも念のため、必要な記入項目についてお伝えしますね。[/aside]
氏名
漢字氏名の記入は戸籍謄本(抄本)に合わせて記入してください。
ローマ字の場合はヘボン式ローマ字活字体大文字での記入になります。
と言われてもヘボン式って??っと分かりにくいですよね。
例を挙げますと、
あ | い | う | え | お | か | き | く | け | こ |
A | I | U | E | O | KA | KI | KU | KE | KO |
こんな感じです。見ると普通のローマ字表記ですよね。
例えば、山田花子→ヘボン式ローマ字で表すと、
【YAMADA HANAKO】となります。
ヘボン式ローマ字についてはパスポートセンターなどにもわかりやすい表などがあると思うので、自分のフルネームを確認しながら記入しましょう。
迷ったら、係員に確認してみるといいと思います。
氏名が戸籍謄本(抄本)に登録されている漢字と異なっていたり(旧仮名遣い等)、記載する枠内から少しでも(1mmでも)はみ出るとアウトになります。
記入の際は、注意して記載しましょう。
所持人直筆(サイン)
ここに記入した直筆のサインはそのままパスポートに転写されます。
サインの字体は漢字、ひらがな、カナカナ、ローマ字などいずれでも構いませんが、必ず本人が記入することになっています。
渡航先で何かあった際、署名を求められた時はこのサインと同じ字体でサインしなければいけませんので、分かりやすく、くっきり書くようにしてください。
もし申請者が乳幼児や障害などをお持ちの方で直筆のサインが難しい方は、法定代理人(親権者や後継人)、配偶者などが代筆することができるようです。
今までの旅券発給有無
今まで旧姓を含めてパスポートの発給があるかないかの確認欄です。
「ある」「ない」どちらかの□に「レ印」をつけてください。
過去にパスポートの発給を受けたことがある方は、旅券番号や旧姓、発効日などを記入しますが、分からない場合は申請の際に係員に申し出てください。
現住所
住民票の住所を記載してください。郵便番号なども忘れずに記入します。
携帯電話など連絡先も記入します。
住民票や戸籍謄本(抄本)に記載されている正式な記載とほんの少しでも異なる場合、すべて最初からやり直しになり、手間がかかるので注意されてください。
刑罰等関係の欄
旅券法というのがありこの法律の第13条の「一般旅券の発給等の制限」に関係する内容になります。
以下の6項目に該当しないか確認してみてください。
- 外国で入国拒否、退去命令、または処罰されたことがありますか?
- 現在日本国法令により起訴され、判決確定前の状態ですか?
- 現在日本国法令により、仮釈放、刑の執行停止または執行猶予の処分を受けてますか?
- 旅券法違反で有罪になり、判決が確定したことはありますか?
- 日本国旅券や渡航書を偽造したり、または日本国旅券や渡航書として偽造された文書を行使して有罪となり、判決が確定したことはありますか?
- 国の援助等を必要とする帰国者に関する領事館の職務等に関する法律を適用され外国から帰国したことはありますか?
この項目で「はい」が1つ以上ある場合は別途手続きが必要になるので、きちんと読んで回答してくださいね。
別途の手続きには通常の申請書の加えて指定された必要書類を取り寄せることになるため、発給の可否が分かるまで1~2ヶ月ほどかかるようです。
申請者署名(修正・訂正印の押し方)
申請者本人が戸籍謄本(抄本)通りに記入してください。
申請者が乳幼児や障害などをお持ちで直筆が困難な場合は法定代理人の方などが代筆することができます。
書き損じてしまった場合は修正液などは使わず、間違った署名の上から二重線で訂正して、訂正印を押します。
法定代理人署名(親権者、後見人などのサイン)
申請する方が未成年や成年被後見人の場合は法定代理人の方の署名が必要です。
ただし、法定代理人の方も必ず、直筆でのサインが必要になるので、母親が父親の名前を代筆することはできないようです。
ここでの注意点は【所持人直筆、刑罰等関係、申請者署名】は必ず本人が直筆で記入することになっています。
ただし、先ほどもお伝えした通り、申請する方が未成年や障害などをお持ちの方は法定代理人の方などが代筆可能です。
代理申請について
申請者本人がお仕事などの都合でどうしても申請に行けない…という場合は、
一般旅券発給申請書の裏面一番下に【申請書類等提出委任申出書】の欄に申請者本人が記入して申請する必要があります。
以下の設定でご説明します。記入項目をまとめてみました。
【事例】夫が海外出張でパスポートが必要だけど忙しい。妻の私が行く場合はどうすればいいの?
申請者:山田太郎(今回パスポートを作る人。花子さんのご主人。急な海外出張でパスポートが必要に。仕事で日中パスポートセンターや役所に行く時間がとれない)
引受人:山田花子(太郎さんから依頼され、申請書を代理で提出する、申請代理人。太郎さんの奥様)
※注:申請者の本籍地が、現住所から遠くて戸籍謄本を取りに行けない方は、戸籍謄本(抄本)の郵送請求が可能です。
1. 申請者記入(申し込み者本人の自筆サイン)
- 記入年月日 → (例) 平成27年5月27日
- 申請者署名 → (例) 山田太郎
- 引受人氏名 → (例) 山田花子
- 引受人住所 → (例) 東京都中央区〇〇
- 申請者との関係 → (例) 妻
※「申請者記入」の項目は、パスポートを作る太郎さんが直接自筆で記入する項目です。
※「申請者との関係」の欄は、夫である太郎さん本人がサインするので、続柄は申請者本人から見た続柄を記載します。申請者がご主人である場合は、ご主人から見た花子さんとの続柄「妻」を記入すればOKです。
2. 引受人記入(代理人の自筆サイン)
- 引き受けた年月日 → (例) 平成27年5月27日
- 引受人署名 → (例) 山田花子
- 連絡先電話番号 → (例) 090-〇〇〇〇-〇〇〇
- 生年月日 → (例) 昭和60年5月5日
※「引受人記入」の項目は、太郎さんから依頼を受けた代理人である、妻・花子さんが自筆で記入する項目です。
※代理申請を行うことを引受けた方の身分証なども必要になります。
まとめ
パスポート申請の書き方について、ご紹介してきました。特に注意すべきなのは、氏名欄と住所です。
住民票や戸籍抄本に記載されている正式な記載とほんの少しでも異なるとすべてやり直しになり、手間がかかるので注意してくださいね。
(氏名が旧仮名遣いになっていたり、枠内から少しはみ出るだけでもアウトになっていまいます)
記入例を参考にしてあなたもパスポート申請をしてみましょう!